『萌えD』を作ろう

昨日に引き続いて『萌えろダウンヒルナイト』に関する話である。今日は予告どおり、ちょっと内容にまつわる話。


クルマを知らない絵描きと、美少女を知らない3Dスタッフの邂逅

もともとはこのゲーム、たまたま持ち合わせていた3DCGのスキルを他のメディアに応用しようという派生企画として持ち上がったもの。もっとも、私は初期の段階から咬んでいた話ではないのだが、ゲームのブラッシュアップを目的としてプロジェクトに参画、6年ぶりにゲーム開発の世界にカムバックしたのはすでに触れた通りである。
このゲームで一番の苦難といえば、なんといってもいわゆる美少女絵と3DCG、イラスト背景のすり合わせに尽きる。なにしろお互いがお互いの領域について知らないもの同士、原画のemilyちゃんに至ってはクルマを描く以前にクルマそのものの知識がそもそもなかったのだ。それならば、「もっとクルマについて理解に深い絵描きの起用を」という疑問も当然あるだろうが、このタイトルに関しては彼女のキャラクターの魅力も重要な要素だと思う。少しカッコいい言い方をするならば「スタッフの誰が欠けても作ることが出来なかった」といったところだろうか(笑)。
ちなみに、原画を描いたemilyちゃんは過去にこんな仕事もしているので、興味がある方はこちらもよろしく。
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このゲームはレースゲームではない!

ところでこのゲーム、よく誤解されるのが「ポリゴンレースゲームではない」という点。実はこの部分の説明にも意外と四苦八苦している。DreamPartyなどのイベント会場やチラシ、各種配布物、雑誌の記事といった具合に、考えられる限りの告知をしているのだが、未だに「このゲームに対応しているハンドルコントローラは?」とか聞かれてしまう。いや、コマンド選択とかの入力系として無理矢理ハンドルコントローラに対応させてもいいんだけどさ。素直にマウスで遊んだほうが楽だと思うぞ。
一応ここでも書いておくと、このゲームにおけるバトルはムービー間に挿入される選択肢をタイミングよく選ぶというシステム。古い引用例で恐縮だが『タイムギャル』みたいなモンと言えば、年季の入ったゲーマーならピンと来るのでは? 難易度は必ずしも高くは設定していないので、どちらかというとバトルムービーを楽しんでもらう感覚で遊んで欲しいと思う。


パッケージデザインもまた楽し

この『萌えろダウンヒルナイト』は、明らかに昨今の美少女ゲームとしては変化球もいいところなので、パッケージからディスクレーベル、その他印刷物も好き放題遊ばせてもらった。シルバーのヘアラインを基調にしたパッケージや、キャラどころか絵素材一切入っていないディスクレーベル……など、僭越ながら私が全部デザインを担当したので、正直それに関する反応も気になる部分である。


はてさて「2」はあるのだろうか?

人間、開発が終わってくると欲目が出るもので、こんなキャラクターを入れたかった、こんな車種を入れたかったという際限ない欲求が出てくる。もし「2」を作る機会に恵まれるならば、特に車種の拡充はぜひとも実現させたいところ。ぜひゲームの中に入っているアンケートはがきで皆さんの要望を聞かせて欲しい。