エロは所詮日陰者

仕事では始終エロネタに囲まれているくせに、このブログでは不思議とそっち方面の話題に行かない。いや、嫌いじゃないんだけど、いざ「今日は何を書こうかな」と考えたときにどうしてもエロ話題の優先順位は低くなってしまう。今の普段の時間の使い方を考えると、あれもこれもと全ての話題について語りきれないのが悩みと言えば悩みである。


結婚の挨拶で先方の両親に仕事の説明ができない仕事

と、ここまでネタ振りをしたからには全開エロかと思いきやさにあらず。AVメーカーとして知られるh.m.pのウェブページ上にて、ごくたまに更新される吉田ヨシ子さんのコラムが面白いので紹介!という話題だったりする。


非常階段の喫煙所


いわゆるアダルト、エロモノを扱う業界で女性がいること自体はとりたてて珍しいことではない。そもそも出版物、映像作品、映画、ゲーム……どんなジャンルにおいても表現の世界においてエロとは切り離せないものだし、人間の根源的欲求に根ざした商売である。誰にはばかることなく胸を張って職務に励むことが出来る立派な職業だと思う。
ただ、こう大仰に言ったところで、表街道で堂々と、と言い切れないところも悲しきかなエロの宿命。業界にいる女性スタッフはもとより男性諸氏だってそんな相反するジレンマに悩む時だってあるわけだ。
いろいろ周囲の同業の人間にヒアリングしてみると、「両親や実家には秘密にしている」「結婚の挨拶で先方の両親に仕事の説明ができない」「自分の部屋に一般人を招待することが出来ない」とまあ、出るわ出るわ悲痛な叫びが(笑)。いや、全然他人事じゃないんですけどね。


プロジェクトXが取材に来る日

そんな心を代弁してくれるかのように、読んでて気持ちいい文章を書いてくれるのが同コラム。「うんうん、そうだよなぁ」と思わず同情してしまうところがウマイ。
エロって、一見アングラに見えて誰もが通る生物の根源。本当は真正面から語られなければならない題材だってたくさんあるのに、押し込められてきたような悲運の存在である。「18禁」という明確なようで不明瞭なレーティングしかり、機会に恵まれれば語りたいことは山ほどあるぞ。こういった積極的な発言の場を作り、広めていくのも自分たちに課せられた責務なのかなと思うここ最近であった。


余談だが、最近とある美少女ゲームメーカーの社長から「ウチらのやっていることってまさに『プロジェクト』だよね。いつかはプロジェクトXの題材になるのかな」と言われたことを思い出した。本家プロジェクトXが取材に来ることは100%ないと言い切れちゃうところが、今のエロモノを扱う業界に対する世間的評価なんだろうなぁ……。