何故にパンツ「一丁」?

『パンツ一丁』……日本人ならごく当たり前に受け入れているこの言葉。いや、日常的に使う言葉じゃないのは承知の上だが、これを聞いて「なんで一枚じゃなくて一丁なんだよ!」なんてツッコミを入れるやつもいないと思う。
でも、冷静に考えれば結構変。というわけで今回はこんな話。


ギアッチョ、日本語を斬る(というか日本語にキレる)

日常の言葉に関する疑問と言えばなんといっても、「ジョジョの奇妙な冒険」第5部に登場したギアッチョ。彼の理不尽なまでの「言葉」に対するキレっぷりは尋常じゃない! まあ、一部を引用してみたので未見の人は読んでみて欲しい。

ヤツらを探し出すために…『根掘り葉掘り聞き回る』の…『根掘り葉掘り』…ってよォ〜『根を掘る』ってのはわかる…スゲーよくわかる。根っこは土の中に埋まっとるからな…
だが『葉掘り』って部分はどういうことだああ〜っ!? 葉っぱが掘れるかっつーのよ─ッ! ナメやがってこの言葉ァ超イラつくぜぇ〜ッ!!

葉っぱ掘ったら裏側へ破れちまうじゃねーか! 掘れるもんなら掘ってみやがれってんだ! チクショーッ! どういう事だ! どういう事だよッ! クソッ! 葉掘りってどういう事だッ! ナメやがって、クソッ!クソッ!

これって、クルマに乗りながら勝手に「言葉」に対して当り散らしているのだ。それにしても「ナメやがってこの言葉ァ」ってアンタ……彼の思考の中では『根掘り葉掘り』という「言葉」にナメられているんだろうか……?
彼にかかれば、今回のお題である『パンツ一丁』だって派手にブチ切れてくれそうだ。


秘密を解く鍵は「あずまんが」にあり?

さて、話はそれてしまったが、『パンツ一丁』の疑問が氷解したのはなんと韓国語版「あずまんが大王」を読んでいたとき。作中で大阪が「パンツ一丁って言うやんか。あれってなんでパンツ一枚と言わんのかな」というセリフで、どちらも「パンティハンジャン」と書かれていたのである。つまり、このギャグって韓国では全然通用しないネタだったというわけ。まあ、このマンガ自体日本語に依存したボケやギャグが多いので、通用しないネタも多いのだが。


おそらく、本来『パンツ一枚』と書かれていたものが、翻訳中の誤訳によって偶然発生した言葉が『パンツ一丁』なんだろうなと思う。でも、偶然生まれた言葉とはいえ、風情のある言葉だよな。『パンツ一丁』。