徴兵制は是か否か

hiropapa02005-07-08


今日は、どの報道を見てもロンドン爆破テロの話題で持ちきり。あの911を彷彿させるような悪夢ともいえる光景が眼前に広がっているのだから無理もない。というわけで今日の話題はロンドン爆破テロ……ではなく、徴兵制について。ロンドンの件についてはある程度情報が出揃った段階で考察してみようと思う。


徴兵制とゆとり教育

徴兵制……要するに国民にある一定期間の兵役を義務として課する制度のことである。世界的に見れば欧米先進諸国では志願制にしているところがほとんどで、徴兵制が根強いのはアフリカ、東ヨーロッパ、中東、南米、日本およびインドを除くアジア諸国といったところだ。
韓国人、台湾人の知人と話をしていると、年齢柄か徴兵に関する話題をすることが多く「もうすぐ兵役に行かなければならない」「適性検査で落とされた」なんて会話は誰とも一度は交わしている気がする。中には「軍隊を脱走して身を隠している」なんて人もいて、軍に関する悲喜こもごもについては話が尽きそうもない。人間として、自分の人生設計を決める自由を奪われる、感性が開く大事な時期を失われる、戦争なんか嫌いだ……いろいろなネガティブな意見も多い徴兵制だが、実は私は必要なんじゃないかなと思う人間でもある。
こういう発言をすると「軍国主義だ」「ミリタリーオタだ」とか言われそうだが、軍備的観点から推しているわけではない。今の日本人に欠けている「規律」「集団生活」「根気」「愛国心」いわゆる人間教育のカリキュラムとして必要なのでは?と思うのだ。


とみに近年よく耳にする日本のゆとり教育。「ゆとり」という耳あたりのいい言葉の上で育った子供たちはどんな大人になっただろう? 無気力、集団に溶け込めない、自発的な行動がとれない……いわば引きこもり、ニート化である。全ての原因がそこにあるとは言わないが、生徒を殴ることが出来ない教師、自分の子供の間違いを正すことが出来ない親。10年20年前では考えられなかった社会問題がどんどん噴出しているこの現状で、ゆとり教育がどのような成果を上げることが出来たのかを教えて欲しいものである。
ゲーム脳だのくだらないことを言う前に、子供にナイフを持たせて鉛筆を削らせればよろしい。軍隊に1年放り込んで兵器の恐ろしさ、戦争の悲惨さを目に焼き付けさせればよい。子供を危険なところから遠ざけるのがゆとり教育らしいが、カッターで二度や三度自分の手を切らなければ刃物の危険性なんて身につかない。同様に、悪いことをしたら報いがあるということを教師は子供に身をもってわからせなければならないのだ。体罰は決して野蛮な行為ではない。むしろ、身体の痛み、心の痛みを知らないまま大人になるほうがよっぽど危険ではないか?


徴兵とは教育の場と心得よ

多少話がそれてしまったが、軍隊に一定期間身をおくという行為は規律や集団生活を学ぶ上でかなり役に立つと思う。今の教師や親が子供に対して道徳教育が出来ないのならば、兵役も義務教育の一環と捉えてもいいくらいだ。
今の日本で自衛官が制服で町を歩くといぶかしがる人が多いため、外を出歩くときは私服に着替えてから行動するという話を聞いたことがある。自衛隊が担っている役割、すなわち国を守るという使命を考えれば、なぜ白い目を向けられなければならないのか? 私は日本という国が好きだし、この国に生まれてきてよかったと胸を張って誇りたい。その日本を、生死を伴うかもしれない環境に身をおいて守ってくれる自衛隊には日ごろから深い感謝の意を表するし、そうあるべきだと思っている。
徴兵制そのものは現実的に無理だとしても、前回書いた自衛軍を機に、国外への理解と同時に国民への意識改革も同時になされなければならないんじゃないだろうか。